公的医療機関としての役割 病院と医療を守る運動と進め方

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要求と運動の進め方

2月16~18日に開催された全労災第65回定期全国大会

▲2月16~18日に開催された全労災第65回定期全国大会

要求

  1. 労災病院の統廃合・移譲・縮小はおこなわないこと。職員の雇用を保障し、責任をもつこと。
  2. 労災病院の役割を勤労者医療と地域医療の中核と位置づけ、公的医療機関として、労災患者を切り捨てることなく総合的な観点で充実をめざすこと。
  3. 旧大牟田労災病院の移譲の際に定めた当事者間の協定等の履行状況を確認し、完全な履行に向けて必要な措置を講ずること。
  4. 機構と病院の責任において必要な医師を確保し、現在ある診療科を後退・縮小させないこと。現業部門については、すべて正規職員を配置して運営すること。
  5. 勤労者医療の推進、労災・職業病の予防充実へ労災病院等に設備投資・必要な人員配置を含めた予算措置を講ずること。
  6. 看護専門学校を、機構の責任において、維持・充実させること。
  7. 震災など大規模災害時の労働者の行動指針等、機構の対応策を抜本的に見直し、充実させること。
  8. 独立行政法人労働者健康福祉機構への天下り、国からの出向を全面的に禁止すること。

運動の進め方

  1. 2016年4月、労働者健康福祉機構と労働安全衛生総合研究所、日本バイオアッセイ研究センターが統合して独立行政法人「労働者健康安全機構」が発足します。これらの法人統合を口実とする労災病院の統廃合や事業の縮小の動きには断固反対し、地域医療・政策医療に果たしてきた役割も含めて、あくまでも労災病院として充実させる立場で、患者・地域住民、広範な団体と共同して運動します。具体的には次のような要求をかかげ、国会議員要請行動などに取り組みます。

    1. ① 労災病院の政策医療(労災医療)と地域医療の充実のために、法人の根拠法に労災病院の設置義務を規定すること。労災病院をグループとして全国一体的に運営すること
    2. ② 労災病院に対し、労災患者の受け入れを義務化すること
    3. ③「産業保健総合支援センター」の事業を機構の事業から分離させること
    4. ④ 交付金の使途の適正化をはかるとともに本部人件費等をカットすること
    5. ⑤ 機構への「天下り」を禁止するとともに、現在在籍する国からの出向者を徹底的に排除すること。
  2. 旧美唄労災病院については、現在の医療体制を根本的にあらためるとともに、必要な医師を確保して地域医療、せき損医療を充実させるよう運動をすすめます。
  3. 旧大牟田労災病院(社会保険大牟田吉野病院)、旧岩手労災病院(イーハトーブ病院)については、医療・雇用の継続・発展を定めた当事者間の協定等の完全実施をめざして運動します。それぞれの共闘組織・患者団体等との協力・共同を強化して取り組みます。機構には、協定等の履行状況を点検・確認させるとともに、必要な措置を講ずるよう要求します。また政治解決も含めて現状の早急な改善を、政府をはじめ当事者に要請します。
  4. 各労災病院についても、それぞれの労災病院が勤労者医療・地域医療に果たしている役割と将来像を明確にし、充実の取り組みと地域への働きかけを強めるとともに、医師の確保をはじめとして必要なスタッフの配置と予算措置を要求して運動をすすめます。
  5. 各支部でも、採算・効率化のみを理由とした安易な病床削減や診療科撤退を許さず、救急医療をはじめとする地域医療の充実など公的医療機関としての役割を守るためにたたかいます。特に、診療報酬改定や「地域包括ケア病棟」への移行にともなう病床・体制の一方的な再編・縮小を許さず、医療と労働条件を守ることを病院に要求してたたかいます。
  6. 看護師の養成・確保対策として、労災看護専門学校を機構の責任において維持・充実させることを要求します。具体的には、学校の増設・定員増を求めて運動します。
  7. 現業部門については、正規職員の補充を中心に、直営原則を守るたたかいを抜本的に強化します。